The Angel Cradle.
飛び立つこともままならない。 座り込むことすら許されない。 僕らはいつも、不安定な足場の上に。
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※注意書き
とある夏の日常とは、数年前、V6さんがまだアイドル誌に全員で出ていた頃。
(確か)明星の夏号に掲載された写真と記事内容から妄想を広げて書いた小説である。
前半のツートップ&末っ子ちゃんの話を調子よく書きあげて、続く後半に挑んでいたところ、突如としてPCが沈黙。
メーカー修理に出した結果、HDDが寿命を迎えたとのことで、データはサルベージされることなく消失。
ゆえに続きを書く気力を失ったまま現在に至る。
で、このお蔵入りしてる前半部分をTRASHブログなんだしいいよな、と言うことで中途半端なまま放り込むことにしました。(笑)
ちなみに本当にサイトを立ち上げた初期くらいに書いていたものなので今と大分文章のテンションが違う気がします。大分。(二回言った)
顕著なのは岡田さんなのね。うちの場合岡田さんの書き方で初期かどうかが分かるのね。(笑)
とりあえずかなり中途半端ではありますが親子ほのぼのをお求めの方はよろしければどうぞ。(笑)
とある夏の日常とは、数年前、V6さんがまだアイドル誌に全員で出ていた頃。
(確か)明星の夏号に掲載された写真と記事内容から妄想を広げて書いた小説である。
前半のツートップ&末っ子ちゃんの話を調子よく書きあげて、続く後半に挑んでいたところ、突如としてPCが沈黙。
メーカー修理に出した結果、HDDが寿命を迎えたとのことで、データはサルベージされることなく消失。
ゆえに続きを書く気力を失ったまま現在に至る。
で、このお蔵入りしてる前半部分をTRASHブログなんだしいいよな、と言うことで中途半端なまま放り込むことにしました。(笑)
ちなみに本当にサイトを立ち上げた初期くらいに書いていたものなので今と大分文章のテンションが違う気がします。大分。(二回言った)
顕著なのは岡田さんなのね。うちの場合岡田さんの書き方で初期かどうかが分かるのね。(笑)
とりあえずかなり中途半端ではありますが親子ほのぼのをお求めの方はよろしければどうぞ。(笑)
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11月も後半に差し掛かかって、朝晩の冷え込みはぐっと強くなり、街が電飾の彩りに染まり始める頃。
井ノ原快彦は三宅健をお供に、人で溢れる繁華街でのお忍びショッピングを敢行していた。
ついこの間ハロウィンで騒いでいた街は、あっと言う間にクリスマス一色へと変化を遂げており、その素早い身のこなしにはただただ苦笑するしかない。
それでも年末に近づくこの時期の、世界全体がどこかそわそわとし始めているようなこの空気は、井ノ原とて嫌いではなかった。
華やかなイルミネーションに、クリスマスカラーのショーウィンドウ。
多種多様なクリスマスツリーに、街中に流れる定番のクリスマスソング。
子供の頃から染み付いたクリスマスと言う楽しいイベントの習慣は、三十をとうに過ぎた今でも変わらずに残り、現にメンバーに渡すクリスマスプレゼントを買うべく、貴重な空き時間を今現在買い物に費やしているのだから他人を笑えないところである。
「うっわ、ちょーさむいしっ!!」
「おー大分冷え込んできたなぁ」
店を出るなりそう声を上げた健に井ノ原も同調して頷く。
確かに夕方になって日が落ちたせいか、外の空気は店に入る前よりもずっと冷え込んでいた。
それこそ会話をするだけで白い息が見えるくらいで、これはもう完全に冬だなぁと思いながら何気なく健に目をやると首もとの開いた服が目に入ったので、井ノ原は自分のカバンからマフラーを取り出して言った。
「健ちゃんマフラー貸そうか?」
「あ、貸して貸して!首周りちょーさむいっ!!」
ややオーバーなくらいに身をすくめて騒ぐ健に井ノ原は自分のマフラーを渡してやる。
すると健は得意の上目遣いで「巻いてっ」と可愛いおねだり。
・・・三十路一歩手前の男にそんな可愛いおねだりをされても微妙な気分になるだけではあるが、しかし相手はあの三宅健である。
「しょーがねぇなぁ」と口では言いつつも、にやにやと笑いながら井ノ原はおねだりされるがまま健にマフラーを巻いてやった。
「・・・はい、完成!」
「ありがと♪あったけー♪」
たっぷりとしたマフラーをぐるぐると巻いてやった結果、マフラーに健が埋もれているような状態になってはいるが、それがまた可愛いんだよなぁなんて思ってみる。
この子本当に三十歳になれるのかしら?と彼を知る誰もが思う疑問を同じく頭に浮かべながら井ノ原は苦笑した。
「健も来年には三十路かー」
「確かに三十路にはなるけど急に何?」
「ん?いや、健ちゃんはいつまでも可愛いなぁと思ってね?」
「そりゃそーでしょ。だって俺アイドルだもん」
えっへんと胸を張る勢いで、さも当然と言い放つ健に、井ノ原が返せる言葉と言えば「そりゃそうだ」の一言しかない。
現に三十をとっくに過ぎた自分ですらアイドルを名乗れる身分なのである。(まぁ井ノ原が可愛いかどうかは置いておくとして)
時代は変わったな、なんて思ってちょっと遠い目などをしてみる井ノ原である。
「ねーねー井ノ原くん」
「ん?あ、あぁ、何よ健ちゃん」
服のすそをぴこぴこと引っ張って、可愛いおめめの上目遣い。
健お得意の甘えん坊モードである。
「俺、今日肉食べたい気分なんだけどっ」
「・・・・・」
当然アナタは今日も財布を持ってはいないんですよね?
問いかけの言葉をぐっと飲み込んで、井ノ原は苦笑いのままで答えた。
「仰せのままに」
**********
発掘品。ゆえに年齢設定が大分前。(笑)
ただマフラーに埋もれる三宅さんが書きたかっただけだと思われます。(笑)
井ノ原快彦は三宅健をお供に、人で溢れる繁華街でのお忍びショッピングを敢行していた。
ついこの間ハロウィンで騒いでいた街は、あっと言う間にクリスマス一色へと変化を遂げており、その素早い身のこなしにはただただ苦笑するしかない。
それでも年末に近づくこの時期の、世界全体がどこかそわそわとし始めているようなこの空気は、井ノ原とて嫌いではなかった。
華やかなイルミネーションに、クリスマスカラーのショーウィンドウ。
多種多様なクリスマスツリーに、街中に流れる定番のクリスマスソング。
子供の頃から染み付いたクリスマスと言う楽しいイベントの習慣は、三十をとうに過ぎた今でも変わらずに残り、現にメンバーに渡すクリスマスプレゼントを買うべく、貴重な空き時間を今現在買い物に費やしているのだから他人を笑えないところである。
「うっわ、ちょーさむいしっ!!」
「おー大分冷え込んできたなぁ」
店を出るなりそう声を上げた健に井ノ原も同調して頷く。
確かに夕方になって日が落ちたせいか、外の空気は店に入る前よりもずっと冷え込んでいた。
それこそ会話をするだけで白い息が見えるくらいで、これはもう完全に冬だなぁと思いながら何気なく健に目をやると首もとの開いた服が目に入ったので、井ノ原は自分のカバンからマフラーを取り出して言った。
「健ちゃんマフラー貸そうか?」
「あ、貸して貸して!首周りちょーさむいっ!!」
ややオーバーなくらいに身をすくめて騒ぐ健に井ノ原は自分のマフラーを渡してやる。
すると健は得意の上目遣いで「巻いてっ」と可愛いおねだり。
・・・三十路一歩手前の男にそんな可愛いおねだりをされても微妙な気分になるだけではあるが、しかし相手はあの三宅健である。
「しょーがねぇなぁ」と口では言いつつも、にやにやと笑いながら井ノ原はおねだりされるがまま健にマフラーを巻いてやった。
「・・・はい、完成!」
「ありがと♪あったけー♪」
たっぷりとしたマフラーをぐるぐると巻いてやった結果、マフラーに健が埋もれているような状態になってはいるが、それがまた可愛いんだよなぁなんて思ってみる。
この子本当に三十歳になれるのかしら?と彼を知る誰もが思う疑問を同じく頭に浮かべながら井ノ原は苦笑した。
「健も来年には三十路かー」
「確かに三十路にはなるけど急に何?」
「ん?いや、健ちゃんはいつまでも可愛いなぁと思ってね?」
「そりゃそーでしょ。だって俺アイドルだもん」
えっへんと胸を張る勢いで、さも当然と言い放つ健に、井ノ原が返せる言葉と言えば「そりゃそうだ」の一言しかない。
現に三十をとっくに過ぎた自分ですらアイドルを名乗れる身分なのである。(まぁ井ノ原が可愛いかどうかは置いておくとして)
時代は変わったな、なんて思ってちょっと遠い目などをしてみる井ノ原である。
「ねーねー井ノ原くん」
「ん?あ、あぁ、何よ健ちゃん」
服のすそをぴこぴこと引っ張って、可愛いおめめの上目遣い。
健お得意の甘えん坊モードである。
「俺、今日肉食べたい気分なんだけどっ」
「・・・・・」
当然アナタは今日も財布を持ってはいないんですよね?
問いかけの言葉をぐっと飲み込んで、井ノ原は苦笑いのままで答えた。
「仰せのままに」
**********
発掘品。ゆえに年齢設定が大分前。(笑)
ただマフラーに埋もれる三宅さんが書きたかっただけだと思われます。(笑)
しとしとと。
細かな雨粒が地面に落ちる。
雨宿りに駆け込んだとある店の軒下。
すこし錆の浮いたトタン屋根を。
ぽたん、ぱたん。
耳障りではなく、むしろ心地良く。
不揃いなリズムを奏でて、雨粒は叩く。
少し濡れてしまった服を、
時折吹く風がひやり、と撫でて。
その冷たさに近づいて来ている冬を感じながら、
こらえきれなかったくしゃみをした。
すると隣で息が漏れる音。
何も笑うことは無いだろうに。
不満を顔に出したなら、隣人はもっと笑みを濃くして。
大きく一歩、立つ距離を縮めた。
濡れた肩がとん、とぶつかる。
そこからじんわりと伝わる、優しい体温。
あたたかさ。
…まぁ笑ったのは許してやろう。
我ながら偉そうにそう思った。
******************************
相変わらず雨はしとしとと降り続いている。
止む気配は無い。
どうしようか、と言う言葉を紡ぐ代わりに、
ちろりと隣人に視線を送った。
すると。
ぱくぱくぱく。
言葉は発することなく、隣人の唇だけが話すように動いた。
それは比較的緩やかな動きだったけれど、
突然の事で読み取ることが出来ない。
それを察してか、
隣人はもう一度、言葉を発することなく唇だけを動かす。
さっきよりももっと、緩やかな速度で。
ぱく、ぱく、ぱく。
一文字ずつをなんとか読み取って、
頭の中で一つの文章に繋ぎ合わせる。
そうしてようやく、隣人の言った言葉を理解する。
『たまにはいいんじゃないか?』
なんともシンプルな回答である。
しかしながら、随分と悠長なことを言うものだ。
自分たちにはこの後まだ仕事がある。
遅刻の理由が雨宿りをしていたから、だなんて。
一社会人としてはなんとも頂けない話だ。
…けれども今の気分としては、
それも存外に悪くないような気がして。
ぱくぱくぱく。
隣人を真似して、言葉は発することなく唇だけを動かした。
彼はそれをすぐに読み取ることが出来たらしい。
くしゃりとした笑いを見せて、今度は声を出して笑った。
『悪くないかもね』
たまには、こんなのも。
隣に在る体温に穏やかな時間を感じた、
ある10月の雨の日。
******************************
2006年の日記小話収納。
当時は博さん視点で書いてたと思うけど、今読み返すと前半がリーダー視点で後半が博さん視点のような気がする。(笑)
細かな雨粒が地面に落ちる。
雨宿りに駆け込んだとある店の軒下。
すこし錆の浮いたトタン屋根を。
ぽたん、ぱたん。
耳障りではなく、むしろ心地良く。
不揃いなリズムを奏でて、雨粒は叩く。
少し濡れてしまった服を、
時折吹く風がひやり、と撫でて。
その冷たさに近づいて来ている冬を感じながら、
こらえきれなかったくしゃみをした。
すると隣で息が漏れる音。
何も笑うことは無いだろうに。
不満を顔に出したなら、隣人はもっと笑みを濃くして。
大きく一歩、立つ距離を縮めた。
濡れた肩がとん、とぶつかる。
そこからじんわりと伝わる、優しい体温。
あたたかさ。
…まぁ笑ったのは許してやろう。
我ながら偉そうにそう思った。
******************************
相変わらず雨はしとしとと降り続いている。
止む気配は無い。
どうしようか、と言う言葉を紡ぐ代わりに、
ちろりと隣人に視線を送った。
すると。
ぱくぱくぱく。
言葉は発することなく、隣人の唇だけが話すように動いた。
それは比較的緩やかな動きだったけれど、
突然の事で読み取ることが出来ない。
それを察してか、
隣人はもう一度、言葉を発することなく唇だけを動かす。
さっきよりももっと、緩やかな速度で。
ぱく、ぱく、ぱく。
一文字ずつをなんとか読み取って、
頭の中で一つの文章に繋ぎ合わせる。
そうしてようやく、隣人の言った言葉を理解する。
『たまにはいいんじゃないか?』
なんともシンプルな回答である。
しかしながら、随分と悠長なことを言うものだ。
自分たちにはこの後まだ仕事がある。
遅刻の理由が雨宿りをしていたから、だなんて。
一社会人としてはなんとも頂けない話だ。
…けれども今の気分としては、
それも存外に悪くないような気がして。
ぱくぱくぱく。
隣人を真似して、言葉は発することなく唇だけを動かした。
彼はそれをすぐに読み取ることが出来たらしい。
くしゃりとした笑いを見せて、今度は声を出して笑った。
『悪くないかもね』
たまには、こんなのも。
隣に在る体温に穏やかな時間を感じた、
ある10月の雨の日。
******************************
2006年の日記小話収納。
当時は博さん視点で書いてたと思うけど、今読み返すと前半がリーダー視点で後半が博さん視点のような気がする。(笑)
気を使わせてるな、とは思っていた。
でも正直自分に余裕が無いのは確かなことで。
それを甘んじて受け入れるのは嫌だと思いながらも、そうせざるを得ない状況に少なからずへこんだ。
だからなんとなしに。
ほんのふとした瞬間に。
思わず謝罪の言葉がぽろりと口から零れ落ちたのは、必然だったと思う。
「ごめん」
前フリも無く、急にそれを受けることになった相手は驚いたような顔をして首を傾げた。
「何がごめんなんだ?」
意味が分からない、と本当に不思議そうな顔をして言うので、俺はちょっとバツが悪くなってもにょもにょする。
「だから・・・なんてゆーか・・・気を、使わせちゃって?」
「気を?・・・あぁ」
ふと何かに思い当たった様子でぽんと手を叩いた相手は、どうしてか、にっと笑って。
大きな手でいきなり俺の髪の毛をくしゃくしゃに混ぜ出した。
「別に、俺たちは気なんか使っちゃいないさ」
まるで歌うような言葉のメロディに、抵抗も忘れてぽかんと相手を仰ぐと。
「ただ、お前のことが愛しいだけだよ」
なんとも甘い言葉と微笑みが上から降ってくる。
・・・この日常ミュージカル男めっ!
浮かんだそんなツッコミは、結局言葉にすることは無く。
ふんわりじんわりとした、なんだかくすぐったい温かさについはにかんだら、破顔した相手にぎゅうと抱きしめられたので、ぎゅうと抱きしめ返してみることにした。
**********
要するにまぁ様が健ちゃんの可愛さにめろめろって話です。(え)
これにてまぁ様とカミっ子三部作完結!(そんなたいそうなものじゃないし・笑)
でも正直自分に余裕が無いのは確かなことで。
それを甘んじて受け入れるのは嫌だと思いながらも、そうせざるを得ない状況に少なからずへこんだ。
だからなんとなしに。
ほんのふとした瞬間に。
思わず謝罪の言葉がぽろりと口から零れ落ちたのは、必然だったと思う。
「ごめん」
前フリも無く、急にそれを受けることになった相手は驚いたような顔をして首を傾げた。
「何がごめんなんだ?」
意味が分からない、と本当に不思議そうな顔をして言うので、俺はちょっとバツが悪くなってもにょもにょする。
「だから・・・なんてゆーか・・・気を、使わせちゃって?」
「気を?・・・あぁ」
ふと何かに思い当たった様子でぽんと手を叩いた相手は、どうしてか、にっと笑って。
大きな手でいきなり俺の髪の毛をくしゃくしゃに混ぜ出した。
「別に、俺たちは気なんか使っちゃいないさ」
まるで歌うような言葉のメロディに、抵抗も忘れてぽかんと相手を仰ぐと。
「ただ、お前のことが愛しいだけだよ」
なんとも甘い言葉と微笑みが上から降ってくる。
・・・この日常ミュージカル男めっ!
浮かんだそんなツッコミは、結局言葉にすることは無く。
ふんわりじんわりとした、なんだかくすぐったい温かさについはにかんだら、破顔した相手にぎゅうと抱きしめられたので、ぎゅうと抱きしめ返してみることにした。
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要するにまぁ様が健ちゃんの可愛さにめろめろって話です。(え)
これにてまぁ様とカミっ子三部作完結!(そんなたいそうなものじゃないし・笑)