The Angel Cradle.
飛び立つこともままならない。 座り込むことすら許されない。 僕らはいつも、不安定な足場の上に。
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星のない夜。
漆黒に沈んだ世界の中で。
一際妖しく輝くオレンジ色の満月を背負った男は、徐に両腕を持ち上げると、そのまま横へと広げてみせた。
燃え盛る炎のように赤い瞳を、キラキラと輝かせながら。
「なぁ、余所見してんじゃねえよ」
挑発するような声音に、ぞくりと粟立つ肌。
その強すぎる存在感に気圧され、思わず後退った【私】の背を受け止めたのは、
まるで細い月のような目をした、緑の瞳の男だった。
「おっと、悪いけど逃がしてやれないんだよねぇ。ごめんな?」
まるで道化師のようにおどけて笑う男は得体が知れず、【私】は声も出せずにただはくはくと唇を動かすしかない。
あぁ、これは悪夢なのだろうか。
何故か定まらない意識の中、そう思って小さく震えた。
「ねぇ、そんなに怖がらないで。大丈夫だから。ほら」
不意に注がれた、柔らかなその声と共に握られた右手。
見ればそれは紫の瞳をした男の、とても優しく温かい手だった。
無意識にそれをぎゅうと握り返せば、くすくすと笑われる。
羞恥に頬を染める【私】を、男はただ微笑みのままに見つめていた。
「そう、俺たちはただ、君の傍に在るだけだから」
その言葉と共に、今度は左手を誰かに握られる。
闇にまぎれ、音も無く現れたのは、黄色の瞳を持つ男だった。
彼は端正な顔に微かな笑みを浮かべて、【私】の手をそっと引く。
そのエスコートに促されるまま、【私】はゆっくりと前へ進んだ。
未だ心に戸惑いを浮かべながら。
「忘れないでね。いつだって、俺たちは君の事を考えてるんだから」
そこには浮かぶ満月に似た、橙色の瞳をした男がいた。
いや、その明るい光はむしろ、太陽のそれに近いだろう。
少年の様なあどけない笑顔を真っ直ぐに向けてくる彼は、まるで子供を宥めるかのように【私】の頭を撫でると、とん、と【私】の背中を押した。
よろけて踏み出した数歩先。
そこにいたのは、【私】に向けて手を差し出す、長身の男で。
「さぁ、おいで。何処までも一緒に行こう」
そう囁く蠱惑的な甘い声に、目が眩みそうになった。
誘われるがままその手を取り、向けられた言葉に自然と頷いてしまった自分に驚く。
そんな【私】の内心を見透かしたかのように、男が吐息だけで笑う。
思わず彼の顔を見れば。
目の前にいたその男の瞳は、よく晴れた空のような、鮮やかな青をしていた。
あぁ、あと一色あれば虹色になるのに、と。
不意にそんなことを思った【私】の中で、何かがこう囁いてもいた。
彼らは不完全であるからこそ意味があるのだ。
そうであるからこそ。
ただひたすらに終わらないこの夢を、紡ぎ続けて行けるのだからと。
『何処までも続く夢を見せてあげよう』
六人の男の声が重なり合い、世界にゆっくりと染み込んでいく。
彼らはこの先一体、【私】にどんな夢を魅せてくれるのだろうか。
気づけば不思議と甘く高鳴りだした胸に。
月明かりの中、並ぶ六人の背中を見つめて。
嗚呼、こんな幸福があるものだろうかと。
満たされていく心に、緩む視界がじわりと滲んだ。
☆☆☆☆☆☆
パイナッポーを見て、今現在の色気溢れるV6さんをちゃんとした文章で書きたい!と勢いのまま書き殴ったら、なんかよく分からない感じに着地しましたっていう。(笑)
ナイトメアシックスの誘い。
本人的には色々含みを持たせたつもりなんですが・・・なんですが・・・(お察しください)
漆黒に沈んだ世界の中で。
一際妖しく輝くオレンジ色の満月を背負った男は、徐に両腕を持ち上げると、そのまま横へと広げてみせた。
燃え盛る炎のように赤い瞳を、キラキラと輝かせながら。
「なぁ、余所見してんじゃねえよ」
挑発するような声音に、ぞくりと粟立つ肌。
その強すぎる存在感に気圧され、思わず後退った【私】の背を受け止めたのは、
まるで細い月のような目をした、緑の瞳の男だった。
「おっと、悪いけど逃がしてやれないんだよねぇ。ごめんな?」
まるで道化師のようにおどけて笑う男は得体が知れず、【私】は声も出せずにただはくはくと唇を動かすしかない。
あぁ、これは悪夢なのだろうか。
何故か定まらない意識の中、そう思って小さく震えた。
「ねぇ、そんなに怖がらないで。大丈夫だから。ほら」
不意に注がれた、柔らかなその声と共に握られた右手。
見ればそれは紫の瞳をした男の、とても優しく温かい手だった。
無意識にそれをぎゅうと握り返せば、くすくすと笑われる。
羞恥に頬を染める【私】を、男はただ微笑みのままに見つめていた。
「そう、俺たちはただ、君の傍に在るだけだから」
その言葉と共に、今度は左手を誰かに握られる。
闇にまぎれ、音も無く現れたのは、黄色の瞳を持つ男だった。
彼は端正な顔に微かな笑みを浮かべて、【私】の手をそっと引く。
そのエスコートに促されるまま、【私】はゆっくりと前へ進んだ。
未だ心に戸惑いを浮かべながら。
「忘れないでね。いつだって、俺たちは君の事を考えてるんだから」
そこには浮かぶ満月に似た、橙色の瞳をした男がいた。
いや、その明るい光はむしろ、太陽のそれに近いだろう。
少年の様なあどけない笑顔を真っ直ぐに向けてくる彼は、まるで子供を宥めるかのように【私】の頭を撫でると、とん、と【私】の背中を押した。
よろけて踏み出した数歩先。
そこにいたのは、【私】に向けて手を差し出す、長身の男で。
「さぁ、おいで。何処までも一緒に行こう」
そう囁く蠱惑的な甘い声に、目が眩みそうになった。
誘われるがままその手を取り、向けられた言葉に自然と頷いてしまった自分に驚く。
そんな【私】の内心を見透かしたかのように、男が吐息だけで笑う。
思わず彼の顔を見れば。
目の前にいたその男の瞳は、よく晴れた空のような、鮮やかな青をしていた。
あぁ、あと一色あれば虹色になるのに、と。
不意にそんなことを思った【私】の中で、何かがこう囁いてもいた。
彼らは不完全であるからこそ意味があるのだ。
そうであるからこそ。
ただひたすらに終わらないこの夢を、紡ぎ続けて行けるのだからと。
『何処までも続く夢を見せてあげよう』
六人の男の声が重なり合い、世界にゆっくりと染み込んでいく。
彼らはこの先一体、【私】にどんな夢を魅せてくれるのだろうか。
気づけば不思議と甘く高鳴りだした胸に。
月明かりの中、並ぶ六人の背中を見つめて。
嗚呼、こんな幸福があるものだろうかと。
満たされていく心に、緩む視界がじわりと滲んだ。
☆☆☆☆☆☆
パイナッポーを見て、今現在の色気溢れるV6さんをちゃんとした文章で書きたい!と勢いのまま書き殴ったら、なんかよく分からない感じに着地しましたっていう。(笑)
ナイトメアシックスの誘い。
本人的には色々含みを持たせたつもりなんですが・・・なんですが・・・(お察しください)
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