忍者ブログ

The Angel Cradle.

飛び立つこともままならない。 座り込むことすら許されない。 僕らはいつも、不安定な足場の上に。

2026/08    07« 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31  »09
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。




寂しいなんて言ってやるつもりはねぇんだ。



そうだ。
それでいいんだよ。
俺はもうこの場所にはいない人間なんだ。
それを未練がましくお前らがいつまでも引き留めたりすから、俺も還るに還れなかったんだ。

…なんだよ、ちゃんと分かってるじゃんか。
本当に、もうお前らに俺は必要なさそうだな。
それじゃあそろそろ行くとしますか。
なぁ、みんな?
泣いたりすんじゃねぇぞ。
これが最期だ。
『またな』にはならない。
これで本当に…


ばいばい。


***************

発掘品。
ぶっさーん!!(笑)

拍手[0回]

PR


結構前に書いたイラスト故、峰倉絵が抜けきってない。(笑)
発見したので出してみました。

拍手[0回]

「なぁ」
「ん?」
「背中貸して」
「どうぞ」

俺は読んでいた雑誌から目を離さないまま、その要求に応えた。
すぐに背中にかかる少しの重み。
相手の体温が、じわりと染みる。

「なぁ」
「ん?」
「…や、なんでもねぇ」
「そう」

俺はパラパラと雑誌のページをめくる。
あ、この店行ったことある、とか。
ここ行ってみたいんだよなぁ、とか。
そんな事を思って、後ろに無関心を気取る。

どうしたの、とか。
大丈夫、とか。
そんな言葉は必要じゃない。

俺たちだから分かる、俺たちの距離。
そこにはただ、合わせた温もりがあればいい。

その存在さえ、感じられればいい。


「明日、晴れんのかな」
「さぁ、どうだろうね」
「…晴れればいいな」
「そうだね」

あんたの気分も晴れたらいいね、なんて。
ちょっと上手い事を思って。
静かに息を吐いた彼の後頭部に、こつりと自分の後頭部をぶつけた。

拍手[1回]

その人は優しい人だったから。
最期の瞬間の願いを、神様が聞き届けたのだ。

「俺はあいつに随分可愛がってもらったからな。その分の恩は返すぜ、お前にな」

すうすうと静かな寝息を立てて眠る彼に降るのは、密やかな独り言。
柔らかそうな髪が頬に落ちたのを見て、枕もとの男はそれを指先でそっと払ってやる。

「なんたって、お前のことは生まれた時から知ってるしな。それこそ全部・・・なにもかも知ってる」

慈しみすら浮かんだその瞳を細めて、男は遠く空に浮かぶ月を見る。
今日は満月だ。
強い月光が降り注いでいて、灯りがなくても部屋の中は明るい。
彼の白い頬がその光に照らされて、ますます白く映る。
けれどそこにはちゃんと血の気があって、穏やかな寝顔に男は心底ほっとした。

そう、男は全て知っているのだ。
彼についての何もかもを、全部。

「俺が、守ってやるから。だから、ちゃんと幸せになれよ、博」

それはいつの間にか男自身の中に生まれていた願いだ。
誰に乞われたからじゃない。
これは男自身が心から願っていることだ。

幸せに。
ただ、幸せに。

「・・・おやすみ」

口元に笑みを浮かべて。
男は月光に解けるようにその姿を消した。
彼の枕元には赤メノウの首飾り。

後に残ったのは、静かな夜。


********************


ギャグじゃなかったのか。(笑)
どうもツートップだとシリアスに走りたくなる傾向があるらしい。

拍手[3回]

井ノ原じゃあるまいし。
この状況にさっさと順応しろと言う方が土台無理な話だ。
彼は同僚であるちっさい目の男を思い浮かべて若干イラッとした。
(井ノ原にしてみれば完全なとばっちりである)

「博様、顔色が優れませんね。どうなさいました?」
「・・・それをあなたが言いますか」

そりゃ当然100%あんたのせいだろ。
彼にしては相当珍しく、不機嫌な顔を隠しもしないで、むしろわざとらしいくらいの感じで盛大なため息をついた。
そうしたらば無骨な男の指がそっと頬に伸びてきて、優しい手つきでそこを撫でる。

「折角の美しい顔が台無しですよ」
「・・・・・・」

サブイボが。
サブイボがすんごいことになってますけど?
対女子ならまだしも、対男子にその台詞と行動はないだろう。
なんなんだこの天然タラシ男は。
誰かコイツに突っ込みをいれてやってくれ。

「博様、どうなさいました?」
「・・・なんか、いや、もう、なんでもないです」
「そうですか」

はぁ、ともう一度心からのため息をついて、彼は手の中のものに視線を落とした。
大ぶりの赤メノウが一石付いた、綺麗な首飾りが堂々とした存在感を持ってそこにある。
それは彼を誰よりも溺愛して可愛がってくれた祖母の唯一の形見である。
そして。
厄介ごとの種そのものでもある。

・・・なんでこんなことになったかなぁ。
恨むよ、ばあちゃん。

指先でその石を軽くはじいたら、何故か目の前の男がびくりと体を震わせた。

「・・・博様、それと私は感覚が繋がっているので、出来れば丁寧に扱って頂けると嬉しいのですが」
「え?うわ、そうなの?ご、ごめん」

つい慌てて敬語も忘れて謝ってしまったけれど、よくよく考えてみるとこれくらいの仕返しはしてもいいような気がしてきた。
そうか、この石とこの男は繋がっているのか。
なるほど。
それじゃあ・・・えいっ。

「こしょこしょ」
「ひっ、博様、あ、あの、ちょっと・・・!」

指先で赤メノウをくすぐってみたら、軽く身悶えた男が頬を赤らめた。
・・・うわーなんか見たくないもの見ちゃったよ。
すみません、今のは俺が悪かったです。

「そ、それで、ええとサカモトさん?」
「はい」
「結局のところ俺はどうしたらいいんですか?」
「それは・・・難しい質問ですね」

少し考えた男はふと、何かに思い当たったような顔をするとにこりと笑って。

「とりあえず、昼食にしましょうか」

予想外の返答に呆れて見上げた壁の時計は昼の12時を刻んでいた。



********************


メッセージを頂けたので調子に乗ってまた書いてみた。(笑)
なんかひたすら坂本さんが変な人にしかならないんだけど大丈夫かこれ。(笑)

えーと坂本さんは赤メノウの精に決まったらしいです。
願いを叶えたら首飾りも消えてしまうので、お祖母ちゃん子だった博さんは願いを言って坂本さんにお引取り願うことも出来ないのです。

ちなみに赤メノウには夫婦円満等の効果があるんだそうだ。(笑)
なんかツートップっぽい!ってことでこの石に決まりましたとさ。

拍手[1回]

*AVIARY*

ブクログ

pixiv

Calendar

07 2026/08 09
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

QR Code

NINJA TOOLS

<< Back  | HOME Next >>
Copyright ©  -- The Angel Cradle. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Material by もずねこ / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]