The Angel Cradle.
飛び立つこともままならない。 座り込むことすら許されない。 僕らはいつも、不安定な足場の上に。
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名前を呼べばいつでも現れるとその男は言った。
そんなバカな話があるものかと彼は思っていた。
「サカモト・・・さん?」
呼び捨てにするには気が引けたので、申し訳程度にそうつけてみる。
ほら、何も出てきやしないじゃないか。
そう思って半分ほっとして、半分がっかりした彼は、その一瞬後に信じられないものを見た。
最初に光が集まった。
次にふわふわと浮かぶ丸いそれが、おぼろげに何かを形どっていく。
その一瞬後には強い閃光。
慌てて瞳を閉じ暫くの後、まぶたの裏に光を感じなくなった頃にそっと瞳を開いてみた。
すると、どうだろう。
「おそばに、博様」
片膝を付いて跪き、恭しく頭を垂れた男が目の前にいる。
耳に心地のいい声が彼の事をそう呼んで、その聞きなれない響きにむずがゆさを感じた。
顔を上げた男が、甘さのある笑みを以って見上げてきたので彼は意味もなく咳払いをしてからたどたどしく言った。
「あの、とりあえず、様づけはやめて下さい」
とんでもないものと係わり合いになってしまった、と。
彼が後悔するのはそれから約一時間後のこと。
************
誓約とは逆パターンの主従関係を書いてみたくて書いてみた。(笑)
多分坂本さんはランプの精みたいな性質を持った存在で、それを付けねらう輩に博さんは命を狙われるっていう。
コメディか?(笑)
そんなバカな話があるものかと彼は思っていた。
「サカモト・・・さん?」
呼び捨てにするには気が引けたので、申し訳程度にそうつけてみる。
ほら、何も出てきやしないじゃないか。
そう思って半分ほっとして、半分がっかりした彼は、その一瞬後に信じられないものを見た。
最初に光が集まった。
次にふわふわと浮かぶ丸いそれが、おぼろげに何かを形どっていく。
その一瞬後には強い閃光。
慌てて瞳を閉じ暫くの後、まぶたの裏に光を感じなくなった頃にそっと瞳を開いてみた。
すると、どうだろう。
「おそばに、博様」
片膝を付いて跪き、恭しく頭を垂れた男が目の前にいる。
耳に心地のいい声が彼の事をそう呼んで、その聞きなれない響きにむずがゆさを感じた。
顔を上げた男が、甘さのある笑みを以って見上げてきたので彼は意味もなく咳払いをしてからたどたどしく言った。
「あの、とりあえず、様づけはやめて下さい」
とんでもないものと係わり合いになってしまった、と。
彼が後悔するのはそれから約一時間後のこと。
************
誓約とは逆パターンの主従関係を書いてみたくて書いてみた。(笑)
多分坂本さんはランプの精みたいな性質を持った存在で、それを付けねらう輩に博さんは命を狙われるっていう。
コメディか?(笑)
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子供じみた嫉妬心を、自覚したのは随分昔のことだ。
三人じゃなくて、二人と一人。
その間の溝を無理矢理飛び越えて押し入ろうとしたことは数知れない。
でもその度に思い知らされてしまうのだ。
自分の立ち位置というものを。
「…なんであいつはあんなに不貞腐れた顔してんだ?」
「え?あぁ、井ノ原のこと?さぁ。俺が来た時からずっとあぁだけど」
二人がけのソファに座っていた長野くんの隣に、そう言いながら座った坂本くんは渋い顔で俺を見る。
ごく自然な隣同志。
それがいつもの定位置。
だから余計にムカつく。
俺はいっつも置いてきぼりだ。
「…なんか、めちゃくちゃほっそい目に睨まれてるんだけど?」
「うわ、迫力あるんだかないんだか」
「おーい井ノ原ー?どうしたー?」
「よっちゃーん、そんな顔してないでこっちおいでよー」
ほら、いつだってそうだ。
あんたらは余裕綽々で、俺のことなんかほんの子ども扱い。
例え無理矢理横一列に並んだって、俺だけは一歩後ろに下がらされるんだ。
歳の差。
付き合いの差。
その他なんか諸々の、俺たちの間にある差。
「おい井ノ原?ほんとどうしたんだよ」
「何があったのか言ってくれなきゃ分からないぞ?」
心配が声に滲む。
…それが本心からだって分かってるから、余計にどうしようもない気持ちになるんだ。
俺は。
俺はね?
「お、おい、井ノ原?!」
「うわ!ちょっと!!」
二人がけのソファ。
二人が並ぶその間に、無理矢理身体をねじこんでみる。
定員オーバーのそれはギシギシと小さく悲鳴を上げたけど、そんなのはどうだっていい。
ついでに二人も苦しそうに「おい!」とか「なんなんだ!?」とか声を上げてるけど、そんなのもどうでもいい。
俺の思いを知らしめるために。
ちょっとの窮屈は我慢して。
「おい!狭いっつーの!!なんなんだ急に!」
「ちょっと井ノ原!?どうしたんだよ一体!」
「…妬いてんの!!」
『…はい?』
そうやって示し合わせなくても声が合っちゃうところとかもさ。
「『ツートップ』って、言葉にヤキモチ妬いてんの!俺は!!」
そう。
それが多分、全てなんだ。
三人じゃなくて、二人と一人。
その間の溝を無理矢理飛び越えて押し入ろうとしたことは数知れない。
でもその度に思い知らされてしまうのだ。
自分の立ち位置というものを。
「…なんであいつはあんなに不貞腐れた顔してんだ?」
「え?あぁ、井ノ原のこと?さぁ。俺が来た時からずっとあぁだけど」
二人がけのソファに座っていた長野くんの隣に、そう言いながら座った坂本くんは渋い顔で俺を見る。
ごく自然な隣同志。
それがいつもの定位置。
だから余計にムカつく。
俺はいっつも置いてきぼりだ。
「…なんか、めちゃくちゃほっそい目に睨まれてるんだけど?」
「うわ、迫力あるんだかないんだか」
「おーい井ノ原ー?どうしたー?」
「よっちゃーん、そんな顔してないでこっちおいでよー」
ほら、いつだってそうだ。
あんたらは余裕綽々で、俺のことなんかほんの子ども扱い。
例え無理矢理横一列に並んだって、俺だけは一歩後ろに下がらされるんだ。
歳の差。
付き合いの差。
その他なんか諸々の、俺たちの間にある差。
「おい井ノ原?ほんとどうしたんだよ」
「何があったのか言ってくれなきゃ分からないぞ?」
心配が声に滲む。
…それが本心からだって分かってるから、余計にどうしようもない気持ちになるんだ。
俺は。
俺はね?
「お、おい、井ノ原?!」
「うわ!ちょっと!!」
二人がけのソファ。
二人が並ぶその間に、無理矢理身体をねじこんでみる。
定員オーバーのそれはギシギシと小さく悲鳴を上げたけど、そんなのはどうだっていい。
ついでに二人も苦しそうに「おい!」とか「なんなんだ!?」とか声を上げてるけど、そんなのもどうでもいい。
俺の思いを知らしめるために。
ちょっとの窮屈は我慢して。
「おい!狭いっつーの!!なんなんだ急に!」
「ちょっと井ノ原!?どうしたんだよ一体!」
「…妬いてんの!!」
『…はい?』
そうやって示し合わせなくても声が合っちゃうところとかもさ。
「『ツートップ』って、言葉にヤキモチ妬いてんの!俺は!!」
そう。
それが多分、全てなんだ。
井上が何も教えられないまま浅輪の後をついて行くと、たどり着いたのは浅輪が所属する9係の部屋だった。
どうやら『飲んで行かない?』と言う問いかけには、頭に『9係で』がついていたらしい。
ガラスの自動ドアと言う、一課の部屋としては珍しいタイプの入り口をくぐると、そこにあったのはごく普通のオフィスだった。
彼の同僚たちはどうやら皆出払っているらしく、そう広くはないがきちんと整理された室内は閑散としている。
浅輪曰く皆捜査に赴いているそうで、かく言う彼自身もついさっきまで捜査に出ていて、報告に一旦戻った所で井上と出会ったのだとか。
「奥に座ってて」
「あ、はい」
浅輪に促されるまま、井上は部屋の奥にあるソファの方へと近づこうとする。
と。
「お客さん?」
「え?」
思わぬ問い掛けに井上はつい声を上げた。
入口からはキャビネットの影になって見えなかったが、そこには一人の先客がいたのだ。
『飄々とした顔の五十代男性。多分、結構なくせ者』
つい反射神経的なもの(あるいは職業病とも言うべきか)でそう分析してから、井上が一体誰だろうかと口を開きかけると、それよりも先にキャビネット越しに男に気づいた浅輪が声を上げた。
「あれ?係長?」
「浅輪くん」
「居たんですか」
「うん」
こくりと頷いて返す、独特のテンポを持ったこの人物はどうやら浅輪の上司であるらしい。
係長と呼ばれた男は井上を一瞥してから浅輪に聞いた。
「君のお客さん?」
「あ、はい。玄関ですっごい久しぶりに会ったんですよ。で、せっかくだからお茶に誘ったんです。あ、薫くん、こちらは俺の上司で9係係長の…」
「加納倫太郎です。こんにちは」
座っていたソファから立ち上がり、浅輪が紹介するよりも早く自ら名乗った相手に、井上はさりげなく佇まいを直して自らも名乗り返す。
「警備部警護課第4係の井上薫です」
「警護…って言う事はSPさん?」
「あ、はい。そうです」
「そっか。初めまして。よろしく」
やはり裏の読めない飄々とした顔の浅輪の上司…加納は、小さく笑みを浮かべてそう言うと視線を井上から浅輪に移して注文を口にした。
「浅輪くん、僕にもコーヒーくれる?」
「あ、はい。エスプレッソと普通の、どっちにします?」
「君たちはエスプレッソ?」
「はい」
「じゃあ僕は普通の」
「はいはい」
なにやら天邪鬼のような注文に対し、苦笑いを浮かべて答える浅輪。
雰囲気からして、どうやらそんなやり取りは彼らの日常であるらしい。
浅輪は加納の注文を請けると、キャビネットの上に置いてあるコーヒーメーカーと、その隣の機械…多分エスプレッソマシーンだと思われる…のセッティングにかかった。
彼がおいしいエスプレッソを、と言ったのはどうやらこの事らしい。
まさかエスプレッソマシーンを警視庁で支給しているはずもないので、推測するに9係の誰かが自費で買って持ち込んだものなのだろうが、慣れた手つきでそれをセッティングするのを見る限り、持ち込んだのは浅輪ではなかろうか。
そんな事を考えながら浅輪の作業を立ったまま見守っていた井上は、不意に視線を感じてその元をたどった。
と、すぐにぱちりと合った加納の目は笑みの形に細められていて。
「どうぞ」
「え?」
「立ってないで、座ったら?」
「あ…はい、失礼します!」
その笑みの理由はぼけっと突っ立っていた自分だったことに気づいて、井上は慌てて加納の隣へと腰掛けた。
***************
オチが見えない・・・(笑)
とりあえず係長を書くのが楽しくてしょうがない。
どうやら『飲んで行かない?』と言う問いかけには、頭に『9係で』がついていたらしい。
ガラスの自動ドアと言う、一課の部屋としては珍しいタイプの入り口をくぐると、そこにあったのはごく普通のオフィスだった。
彼の同僚たちはどうやら皆出払っているらしく、そう広くはないがきちんと整理された室内は閑散としている。
浅輪曰く皆捜査に赴いているそうで、かく言う彼自身もついさっきまで捜査に出ていて、報告に一旦戻った所で井上と出会ったのだとか。
「奥に座ってて」
「あ、はい」
浅輪に促されるまま、井上は部屋の奥にあるソファの方へと近づこうとする。
と。
「お客さん?」
「え?」
思わぬ問い掛けに井上はつい声を上げた。
入口からはキャビネットの影になって見えなかったが、そこには一人の先客がいたのだ。
『飄々とした顔の五十代男性。多分、結構なくせ者』
つい反射神経的なもの(あるいは職業病とも言うべきか)でそう分析してから、井上が一体誰だろうかと口を開きかけると、それよりも先にキャビネット越しに男に気づいた浅輪が声を上げた。
「あれ?係長?」
「浅輪くん」
「居たんですか」
「うん」
こくりと頷いて返す、独特のテンポを持ったこの人物はどうやら浅輪の上司であるらしい。
係長と呼ばれた男は井上を一瞥してから浅輪に聞いた。
「君のお客さん?」
「あ、はい。玄関ですっごい久しぶりに会ったんですよ。で、せっかくだからお茶に誘ったんです。あ、薫くん、こちらは俺の上司で9係係長の…」
「加納倫太郎です。こんにちは」
座っていたソファから立ち上がり、浅輪が紹介するよりも早く自ら名乗った相手に、井上はさりげなく佇まいを直して自らも名乗り返す。
「警備部警護課第4係の井上薫です」
「警護…って言う事はSPさん?」
「あ、はい。そうです」
「そっか。初めまして。よろしく」
やはり裏の読めない飄々とした顔の浅輪の上司…加納は、小さく笑みを浮かべてそう言うと視線を井上から浅輪に移して注文を口にした。
「浅輪くん、僕にもコーヒーくれる?」
「あ、はい。エスプレッソと普通の、どっちにします?」
「君たちはエスプレッソ?」
「はい」
「じゃあ僕は普通の」
「はいはい」
なにやら天邪鬼のような注文に対し、苦笑いを浮かべて答える浅輪。
雰囲気からして、どうやらそんなやり取りは彼らの日常であるらしい。
浅輪は加納の注文を請けると、キャビネットの上に置いてあるコーヒーメーカーと、その隣の機械…多分エスプレッソマシーンだと思われる…のセッティングにかかった。
彼がおいしいエスプレッソを、と言ったのはどうやらこの事らしい。
まさかエスプレッソマシーンを警視庁で支給しているはずもないので、推測するに9係の誰かが自費で買って持ち込んだものなのだろうが、慣れた手つきでそれをセッティングするのを見る限り、持ち込んだのは浅輪ではなかろうか。
そんな事を考えながら浅輪の作業を立ったまま見守っていた井上は、不意に視線を感じてその元をたどった。
と、すぐにぱちりと合った加納の目は笑みの形に細められていて。
「どうぞ」
「え?」
「立ってないで、座ったら?」
「あ…はい、失礼します!」
その笑みの理由はぼけっと突っ立っていた自分だったことに気づいて、井上は慌てて加納の隣へと腰掛けた。
***************
オチが見えない・・・(笑)
とりあえず係長を書くのが楽しくてしょうがない。

