The Angel Cradle.
飛び立つこともままならない。 座り込むことすら許されない。 僕らはいつも、不安定な足場の上に。
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「なぁ」
「ん?」
「背中貸して」
「どうぞ」
俺は読んでいた雑誌から目を離さないまま、その要求に応えた。
すぐに背中にかかる少しの重み。
相手の体温が、じわりと染みる。
「なぁ」
「ん?」
「…や、なんでもねぇ」
「そう」
俺はパラパラと雑誌のページをめくる。
あ、この店行ったことある、とか。
ここ行ってみたいんだよなぁ、とか。
そんな事を思って、後ろに無関心を気取る。
どうしたの、とか。
大丈夫、とか。
そんな言葉は必要じゃない。
俺たちだから分かる、俺たちの距離。
そこにはただ、合わせた温もりがあればいい。
その存在さえ、感じられればいい。
「明日、晴れんのかな」
「さぁ、どうだろうね」
「…晴れればいいな」
「そうだね」
あんたの気分も晴れたらいいね、なんて。
ちょっと上手い事を思って。
静かに息を吐いた彼の後頭部に、こつりと自分の後頭部をぶつけた。
「ん?」
「背中貸して」
「どうぞ」
俺は読んでいた雑誌から目を離さないまま、その要求に応えた。
すぐに背中にかかる少しの重み。
相手の体温が、じわりと染みる。
「なぁ」
「ん?」
「…や、なんでもねぇ」
「そう」
俺はパラパラと雑誌のページをめくる。
あ、この店行ったことある、とか。
ここ行ってみたいんだよなぁ、とか。
そんな事を思って、後ろに無関心を気取る。
どうしたの、とか。
大丈夫、とか。
そんな言葉は必要じゃない。
俺たちだから分かる、俺たちの距離。
そこにはただ、合わせた温もりがあればいい。
その存在さえ、感じられればいい。
「明日、晴れんのかな」
「さぁ、どうだろうね」
「…晴れればいいな」
「そうだね」
あんたの気分も晴れたらいいね、なんて。
ちょっと上手い事を思って。
静かに息を吐いた彼の後頭部に、こつりと自分の後頭部をぶつけた。
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