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The Angel Cradle.

飛び立つこともままならない。 座り込むことすら許されない。 僕らはいつも、不安定な足場の上に。

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日陰の恋なんて格好いいもんじゃない。
ただ自分は強欲で。
手に入れたいものは全て、手に入れないと気が済まなかった。
そのためにはどんな手も使った。
そうするだけの力も財力も十分あった。
でも所詮、嘘は嘘でしかなくて。
その先に待っているものを想像するだけの余裕も勇気もなかった自分を浅ましいと気づいたのは、全てが露呈してからだった。
恐れても、苛立っても、結局は全て自分の蒔いた種で。
足掻いた所で結果なんか分かりきってる状況に絶望すらした。

けれど、俺たちは。

剥ぎ取られた嘘の後に残った本当の自分と、三年の間に温められていた絆…それに気恥ずかしい話だけれど育っていた愛が、この先の選択肢を与えてくれた。

ここから始めるか。
それとも終わるか。

選ぶのは、俺たち二人だ。




ぎこちない手つきで作るイタリアン。
不慣れな俺をそばで見守ってくれる君の眼差しは優しい。
そうだ。
それだけで良かったんだよ。
それを教えてくれた人はもういないけど。
ただ、素直にあればそれだけで良かったんだ。

「…味見、してくれる?」

躊躇いがちにそう言った俺に。

「…うん」

頷いてくれた君のはにかんだ微笑み。



まだ馴染みのないフライパンを片手に。
俺たちの時間は今、ここから始まる。

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「あの。高野さんて私たちのこと、においで分かるって言ってましたよね」
「はい♪」
「それってどれくらいの距離まで分かるんですか?」
「そうですねぇ。京子ちゃんだったら1km先に居ても分かるかなぁ」
「え!そんなに?」
「へ~じゃあ高野さん俺は?」
「涼介くんですか?涼介くんのにおいは・・・何処に居ても分かりますね!!(笑顔)」

間。

「くさい!?俺そんなにくさいの!?きょーこちゃんっ!!?(泣)」
「・・・さぁ?(そっと目をそらす)」
「うわー!!!(涙)」
「はっはっはっは♪」

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瞼の裏にちらつく残像。
それはいつも頭の中にあった。

ふつふつと湧き上がる、何よりも激しい感情。
――怒り。
炎のように燃え上がったそれは、今も俺の身の内で燻っている。

…あぁ、雨の音が耳障りだ。

ぬらりとして。
銀色の輝きを染めるあの赤はなんだ?
暗い目をしたあの男は?
俺の間近で、引き上げられた口角は一体何を意味している?

そして。

あぁ、そして。

あそこに横たわる、あれは……



温度のない雨はまだ、降り止まない。

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「なぁ~んじょうさぁ~ん♪」
「……ウザイ」
「澤田、ジャマ」
「いでっ!!何すんだよ江口!!」
「先輩には敬語だろ」
「あでっ!!ちょ、暴力反対~!!」
「ウチで一番血気盛んなヤツが何言ってんだよ。お前またそこらへんでケンカ売ってきただろ」
「うっ!!」
「やっぱりな。南條さん、そろそろメンバーチェンジ考えた方がいいかもしれませんよ?」
「んーそうだなぁー」
「ちょ、ちょ、待ったっ!!そりゃないっスよぉ!!南條さぁん!!」
「あーもーうぜーって。待て!お座り!!」
「って!俺は犬っスか!!」
『似たようなもんだろ?』
「………(涙)」

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【あちら側】と【こちら側】。
線引きされた二つのちょうど真ん中に、彼は立っていた。
どちらにでもなりうる、不安定で危険な存在。
それを最も畏怖したのは、一体誰だったのか。

SIG SAUER P230
法的に携帯することを許されたこの銃は。
彼にとって、【誰】を打ち抜くための武器なのか。

今はまだ、曖昧のままで。

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*AVIARY*

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