The Angel Cradle.
飛び立つこともままならない。 座り込むことすら許されない。 僕らはいつも、不安定な足場の上に。
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日陰の恋なんて格好いいもんじゃない。
ただ自分は強欲で。
手に入れたいものは全て、手に入れないと気が済まなかった。
そのためにはどんな手も使った。
そうするだけの力も財力も十分あった。
でも所詮、嘘は嘘でしかなくて。
その先に待っているものを想像するだけの余裕も勇気もなかった自分を浅ましいと気づいたのは、全てが露呈してからだった。
恐れても、苛立っても、結局は全て自分の蒔いた種で。
足掻いた所で結果なんか分かりきってる状況に絶望すらした。
けれど、俺たちは。
剥ぎ取られた嘘の後に残った本当の自分と、三年の間に温められていた絆…それに気恥ずかしい話だけれど育っていた愛が、この先の選択肢を与えてくれた。
ここから始めるか。
それとも終わるか。
選ぶのは、俺たち二人だ。
ぎこちない手つきで作るイタリアン。
不慣れな俺をそばで見守ってくれる君の眼差しは優しい。
そうだ。
それだけで良かったんだよ。
それを教えてくれた人はもういないけど。
ただ、素直にあればそれだけで良かったんだ。
「…味見、してくれる?」
躊躇いがちにそう言った俺に。
「…うん」
頷いてくれた君のはにかんだ微笑み。
まだ馴染みのないフライパンを片手に。
俺たちの時間は今、ここから始まる。
ただ自分は強欲で。
手に入れたいものは全て、手に入れないと気が済まなかった。
そのためにはどんな手も使った。
そうするだけの力も財力も十分あった。
でも所詮、嘘は嘘でしかなくて。
その先に待っているものを想像するだけの余裕も勇気もなかった自分を浅ましいと気づいたのは、全てが露呈してからだった。
恐れても、苛立っても、結局は全て自分の蒔いた種で。
足掻いた所で結果なんか分かりきってる状況に絶望すらした。
けれど、俺たちは。
剥ぎ取られた嘘の後に残った本当の自分と、三年の間に温められていた絆…それに気恥ずかしい話だけれど育っていた愛が、この先の選択肢を与えてくれた。
ここから始めるか。
それとも終わるか。
選ぶのは、俺たち二人だ。
ぎこちない手つきで作るイタリアン。
不慣れな俺をそばで見守ってくれる君の眼差しは優しい。
そうだ。
それだけで良かったんだよ。
それを教えてくれた人はもういないけど。
ただ、素直にあればそれだけで良かったんだ。
「…味見、してくれる?」
躊躇いがちにそう言った俺に。
「…うん」
頷いてくれた君のはにかんだ微笑み。
まだ馴染みのないフライパンを片手に。
俺たちの時間は今、ここから始まる。
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