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The Angel Cradle.

飛び立つこともままならない。 座り込むことすら許されない。 僕らはいつも、不安定な足場の上に。

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「はい、坂本くん。これ、俺たちからのプレゼント!」
「・・・はい?」
健の唐突な言葉と五人の満面の笑みに囲まれて。
その妙な迫力に俺はちょっと後ずさった。
目の前に差し出されたのは一つの鉢植えで。
その中に咲いていたのは甘い香りを放ついくつもの小さな白い花だ。
自分が貰うには随分と可愛らしいものの様な気がするその花を、つい勢いのまま受け取ってしまってから、俺は首を傾げる。
こいつらが何故これを俺にプレゼントしようと思ったのか、その理由がさっぱり分からなかったからだ。
「大事にしてよね。これ、俺らの心からの気持ちだからさ」
いつも細い目を更に細めて、どこか嬉しそうに井ノ原がそう言う。
「大事にしなかったら罰が当たるからね?」
分かってるよね、と言いながらにっこり(黒い)笑顔を浮かべるのは長野だ。
「まー坂本くんには伝わらなさそうだけどな」
よく分からないことを言ってうひゃっと独特の笑い声をあげるのは剛で。
「俺たちが分かってればそれでいーじゃん」
そう言って剛にじゃれ付いているのは健だ。
・・・いや、益々訳が分からねーぞ、おい。
つい眉間に寄せた盛大なシワ。
それを見かねたのか。
んふふ、と独特の笑い方をして、岡田が言った。
「一つだけヒント。この花はね、ジャスミンだよ」
ジャスミンと言えば、俺たちの曲のタイトルにもなったそれだ。
あぁこの甘い香りは、そう言えばジャスミンの芳香だ。
でも、だからそれが一体どうしたっていうんだ?
「分からないなら、分からないままでいいよ。あんたはただ、これを受け取ってくれればそれで」
先とは違って、穏やかな微笑みを浮かべて長野はそんなことを言う。
・・・正直、唐突なプレゼントの意味は全く分からないけれど。
向けられた五人の笑みは、そこに込められた意味が好意であることを物語っている。
だったら俺は、それに答えるだけだ。
「・・・ありがとう」
心からそう言葉を紡げば。
満足そうな笑顔が五つ、並んで。
あぁ、俺はなんて幸せなんだろう、なんて。
つい思ってしまった自分に苦笑した。

Theme:『花言葉なんて、貴方は知らないんでしょうね』


**********


ジャスミンの花言葉は多々ありますが、今回テーマにした言葉は「あなたについていきます」。
どんなことがあっても、俺らはリーダーについていくぜ!っていう想いをジャスミンに込める五人と。
訳が分からないながらもそこに幸福を感じるリーダーのお話でした。

少々お題と方向性が違っているような気がしないでもないですが、そこには目をつぶって頂けたらと・・・(笑)

V6へのお題は『花言葉なんて、貴方は知らないんでしょうね』です。 http://shindanmaker.com/392860

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