The Angel Cradle.
飛び立つこともままならない。 座り込むことすら許されない。 僕らはいつも、不安定な足場の上に。
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濃い顔に、もっさりヒゲで。
もはや国籍さえ不明になりかけている男が楽屋に一人。
「・・・おかだー」
「ん?なに?」
「お前って日本人だったよな?」
「・・・たぶん?」
ってなんでそこで首をかしげるんだよ。
そこは断言していいところだってば。
多分。(あれ?)
「ただでさえ濃い顔なのにさー。ヒゲのせいで濃さが3割増しくらいになってるよな」
「んふふ」
役柄上仕方がないとは言え。
それにしてもアイドルらしからぬダンディーな顔である。
いや、もはやそれはダンディーを通り越して神々しいレベルの様な気もする。
さすがは天下のかんべー兄やん。(ちょっと神様思い出すけど)
よし、なんかご利益ありそうだからとりあえず触っとこう。
「わしゃしゃしゃー」
「・・・けんくんくすぐったい」
「うーんなんとも言えないこの感触・・・」
「・・・聞いてる?」
抗議の声は聞こえないふりで、ひたすらもしゃもしゃを楽しんだ後。
そろそろ解放してやろうと手を離したら、苦笑いの岡田がそこにいた。
「もういいの?」
「うん」
素直にこっくり頷けば。
なんだか子供に向けるみたいな、やけに生ぬるい目をするもんだから。
とりあえず軽いパンチをお見舞いしておくことにした。
(でも難なくかわされた。師範め。)
「撮影、もうあとちょっとなんだろ?」
「うん」
「応援してるし、楽しみにしてるからな、かんべー兄やん」
「ありがとう」
嬉しそうに、屈託なく笑う岡田に、俺もつられ笑顔を浮かべたけれど。
ほんとは。
ほんのちょこっとだけ。
早くこのヒゲがなくなって、俺たちの可愛い末っ子に戻らないかな、なんて。
思った事は俺だけの秘密にした。
**********
応援しつつもちょっぴり寂しさを感じるお兄ちゃんの図。(笑)
気付けば最近新規で書く文章がこの二人に偏りがちのような・・・
人生と言う長くて、でも短い時間の中で。
その出会いは自分にとって、何よりも必要なものだったのだと思う。
きっと、と言い切るのは気恥ずかしいから。
多分、と言って誤魔化しておくことにする。
だから、相棒。
この先も一緒に、並んで歩いて行こうな。
140文字SSお題『きっとたぶん』
**********
ついった用のものだけども、保存用にこちらにも。
140文字で書くお題ったーで出たお題をこなしてみたものです。
貴方はツートップで『きっとたぶん』をお題にして140文字SSを書いてください。 http://shindanmaker.com/375517
リーダー視点でツートップ。
140文字と言うお題だけれども実際は120文字くらいだな。(笑)
その出会いは自分にとって、何よりも必要なものだったのだと思う。
きっと、と言い切るのは気恥ずかしいから。
多分、と言って誤魔化しておくことにする。
だから、相棒。
この先も一緒に、並んで歩いて行こうな。
140文字SSお題『きっとたぶん』
**********
ついった用のものだけども、保存用にこちらにも。
140文字で書くお題ったーで出たお題をこなしてみたものです。
貴方はツートップで『きっとたぶん』をお題にして140文字SSを書いてください。 http://shindanmaker.com/375517
リーダー視点でツートップ。
140文字と言うお題だけれども実際は120文字くらいだな。(笑)
・・・と、そうそう。
ここで一つ説明を挟んでおこう。
前述したが、私は坂本昌行と言う一人の例外を除き、人間に抱きあげられるのがあまり好きではない。
けれどもどうしてか。
ことこの男、長野博に関してだけは、何があろうとも逆らってはならないと私の野生の勘が警鐘を鳴らしている為、何をされようとも大人しくしていようと心に誓っている。
見かけは柔和で優しげな、いかにも人畜無害と言った風貌の男なのだが、それは一体どういう事なのか。
彼の本質を私はまだ知らないでいる。
・・・いや、もしかしたらばそれは、所謂『知らぬが仏』と言うヤツなのかもしれないが。
う、うむ。
まぁそんなわけで、私は長野博に大人しく抱かれたまま、坂本昌行が昼食の準備をしているダイニングキッチンへと向かった。
一階向かって右手にあるその部屋は、坂本昌行のこだわりが全面に反映されている(らしい)空間である。
多人数のパーティーがいつでも開けそうな広々としたダイニングの、中央に鎮座するのはアイランド型のキッチンブースだ。
黒とシルバーでカラーリングされたそれは、洗練された都会の雰囲気を醸し出している・・・のだと思う。多分。
そう言えば説明を忘れていたが、このアパルトメントは坂本昌行と長野博が共同出資して建てたものである。(ちなみに築半年である)
なので建物の随処に二人のこだわりが詰め込まれているらしいのだが、猫である私には正直その辺の事は良く分からない。
それと二階にはいくつか使われていない部屋があるのだが、それは将来的にVittoriaの従業員用の部屋になるらしい。
いわゆる社員寮と言うヤツである。
みんな越して来たら賑やかになるね、と嬉しそうに長野博が坂本昌行に話しているのを聞いたのがつい先日のことだ。
どうやら井ノ原快彦は近日中に越してくる予定があるようで、学生組からは(社員登用前提で)学校を卒業したらすぐにでも越して来たいと言う要望が出ているらしい。
否が応にも賑やかになりそうな我が家に、私は独りため息を零すのだった。
******
日記(2014/08/01)掲載文を収納。
ここで一つ説明を挟んでおこう。
前述したが、私は坂本昌行と言う一人の例外を除き、人間に抱きあげられるのがあまり好きではない。
けれどもどうしてか。
ことこの男、長野博に関してだけは、何があろうとも逆らってはならないと私の野生の勘が警鐘を鳴らしている為、何をされようとも大人しくしていようと心に誓っている。
見かけは柔和で優しげな、いかにも人畜無害と言った風貌の男なのだが、それは一体どういう事なのか。
彼の本質を私はまだ知らないでいる。
・・・いや、もしかしたらばそれは、所謂『知らぬが仏』と言うヤツなのかもしれないが。
う、うむ。
まぁそんなわけで、私は長野博に大人しく抱かれたまま、坂本昌行が昼食の準備をしているダイニングキッチンへと向かった。
一階向かって右手にあるその部屋は、坂本昌行のこだわりが全面に反映されている(らしい)空間である。
多人数のパーティーがいつでも開けそうな広々としたダイニングの、中央に鎮座するのはアイランド型のキッチンブースだ。
黒とシルバーでカラーリングされたそれは、洗練された都会の雰囲気を醸し出している・・・のだと思う。多分。
そう言えば説明を忘れていたが、このアパルトメントは坂本昌行と長野博が共同出資して建てたものである。(ちなみに築半年である)
なので建物の随処に二人のこだわりが詰め込まれているらしいのだが、猫である私には正直その辺の事は良く分からない。
それと二階にはいくつか使われていない部屋があるのだが、それは将来的にVittoriaの従業員用の部屋になるらしい。
いわゆる社員寮と言うヤツである。
みんな越して来たら賑やかになるね、と嬉しそうに長野博が坂本昌行に話しているのを聞いたのがつい先日のことだ。
どうやら井ノ原快彦は近日中に越してくる予定があるようで、学生組からは(社員登用前提で)学校を卒業したらすぐにでも越して来たいと言う要望が出ているらしい。
否が応にも賑やかになりそうな我が家に、私は独りため息を零すのだった。
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日記(2014/08/01)掲載文を収納。