The Angel Cradle.
飛び立つこともままならない。 座り込むことすら許されない。 僕らはいつも、不安定な足場の上に。
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眼下にはコンクリートジャングル。
聳え立つビル群。
排気にまみれた街に輝きは見えない。
希望も見えない。
夕焼けすら赤黒く禍々しく、
そこには美しさの欠片もない。
「こんな世界救う価値あんのかねぇ」
「ぷっ。カッコつけて心にも無い事言うんじゃねぇよ」
「そうそう。だいたい早く何とかしてやりたいって顔に書いてあるよ?」
「えっマジで!?どこどこ?」
「って近い近い!!」
「あはははは」
「あはあはあは」
笑い合う三人の男。
その瞳はどれも慈愛に満ちており、また慈悲深い。
赤から青へのグラデーションに染まる世界を見下ろして、
そこに僅かな可能性を見出そうとしている。
まだ終わらせるには惜しい世界に。
「さ、女神様に睨まれる前にちゃっちゃと仕事終わらせましょうや」
「女神様はもう光臨なされてるけどね」
「え?マジで?」
「お、本当だ。随分綺麗に見えてるな」
三人一様に見上げた空には、一粒の強い光を放つ星。
それは夜の帳を下ろし始めた空に爛々と輝く金星・・・宵の明星だ。
「のんびりしてたら宵の明星が明けの明星になっちゃうね」
「そりゃマズイな。よし、それじゃあ行くか」
『合点承知!』
一人の男の声に二人が頷き、三人は共に大地を蹴る。
そのまま彼らの体は落下することなくふわりと宙に浮き、その背には真っ白な翼が現れた。
鳥のようにしなやかに、羽音を響かせて羽ばたく大きな翼。
そう、彼らは人ではない。
真っ白き心で神に仕える穢れなき天界の使者、天使なのだ。
「・・・決めたんだ、守るって」
太陽が落ち、世界が赤から青に染まり変わる。
眼下には闇色に染まった世界。
今はただ、暗く沈んでしまっているけれど。
『かつての彼等』が愛した、何よりも愛しい場所。
「もうあそこは、俺たちの世界じゃないけどさ」
「でも、記憶はちゃんと俺たちの中に残ってるから」
だから。
守りたいのは、
ヴィーナスに見守られた、この世界。
聳え立つビル群。
排気にまみれた街に輝きは見えない。
希望も見えない。
夕焼けすら赤黒く禍々しく、
そこには美しさの欠片もない。
「こんな世界救う価値あんのかねぇ」
「ぷっ。カッコつけて心にも無い事言うんじゃねぇよ」
「そうそう。だいたい早く何とかしてやりたいって顔に書いてあるよ?」
「えっマジで!?どこどこ?」
「って近い近い!!」
「あはははは」
「あはあはあは」
笑い合う三人の男。
その瞳はどれも慈愛に満ちており、また慈悲深い。
赤から青へのグラデーションに染まる世界を見下ろして、
そこに僅かな可能性を見出そうとしている。
まだ終わらせるには惜しい世界に。
「さ、女神様に睨まれる前にちゃっちゃと仕事終わらせましょうや」
「女神様はもう光臨なされてるけどね」
「え?マジで?」
「お、本当だ。随分綺麗に見えてるな」
三人一様に見上げた空には、一粒の強い光を放つ星。
それは夜の帳を下ろし始めた空に爛々と輝く金星・・・宵の明星だ。
「のんびりしてたら宵の明星が明けの明星になっちゃうね」
「そりゃマズイな。よし、それじゃあ行くか」
『合点承知!』
一人の男の声に二人が頷き、三人は共に大地を蹴る。
そのまま彼らの体は落下することなくふわりと宙に浮き、その背には真っ白な翼が現れた。
鳥のようにしなやかに、羽音を響かせて羽ばたく大きな翼。
そう、彼らは人ではない。
真っ白き心で神に仕える穢れなき天界の使者、天使なのだ。
「・・・決めたんだ、守るって」
太陽が落ち、世界が赤から青に染まり変わる。
眼下には闇色に染まった世界。
今はただ、暗く沈んでしまっているけれど。
『かつての彼等』が愛した、何よりも愛しい場所。
「もうあそこは、俺たちの世界じゃないけどさ」
「でも、記憶はちゃんと俺たちの中に残ってるから」
だから。
守りたいのは、
ヴィーナスに見守られた、この世界。